評価が高くても潰れる現実
銀座二丁目、地下にある日本料理店。
GoogleやTablogで高評価。常連客もいる。運営もしっかりしている。
一見すると、何の問題もない繁盛店に見えました。
でも、閉店を検討せざるを得ない状況に追い込まれたんです。
売上はある。でも利益が出ない。
このまま続けても無理だという、苦渋の判断でした。
正直に言うと、この事例は多くの飲食店が陥る典型的な失敗パターンなんです。
人気店を閉店に追い込んだ5つの原因
売上があっても利益が出ない。
その背景にある致命的な問題とは。
原因1:家賃比率が高すぎる
致命的な家賃負担:
実はですね、この店の最大の問題は家賃比率でした。
銀座という超高額家賃エリア:
- 20坪以上の店舗
- 極めて高い家賃
- 売上に対する家賃比率が異常に高い
健全な家賃比率: 飲食店が失敗しないためには、家賃比率7〜10%以内を徹底しなければなりません。
これを超えると、どんなに頑張っても利益が出ない構造になってしまうんです。
具体例:
- 月商300万円なら家賃は21〜30万円まで
- 月商500万円なら家賃は35〜50万円まで
- それ以上は危険ゾーン
原因2:人件費が削減できない店舗規模
固定費の重圧:
20坪以上の店舗規模。これが、人件費削減を不可能にしていました。
必要な人員:
- 厨房スタッフ
- ホールスタッフ
- 最低限の人数が必要
問題点:
- 回転率と客数に限界がある
- 売上の上限が見えている
- でも固定人件費は削れない
- 利益が出ない構造
実はですね、大きい店舗ほど固定費の負担が重くなるんです。
原因3:定期借家契約のリスク
最近東京で急増している問題:
この店は「定期借家契約」でした。これが、深刻なリスクを生んでいたんです。
定期借家契約の恐怖:
- 契約更新の保証がない
- いつ追い出されるか分からない
- 大手企業に物件を取られる可能性
- 長期的な投資ができない
通常の契約との違い:
- 普通借家:更新が基本的に保証される
- 定期借家:期限が来たら確実に終了
正直に言うと、定期借家契約での飲食店開業は非常にハイリスクなんです。
原因4:20坪以上という大きすぎる店舗
大きさがリスクになる:
20坪以上の店舗。これ自体が、大きな問題でした。
大型店舗のリスク:
- 家賃負担が重い
- 内装費用が高額
- 運営コストも増大
- リスクの変動幅が大きい
小型店舗との比較: 小さい店舗なら、高い利益率を確保しやすい。大きい店舗は、全てのコストが膨らんでしまうんです。
実はですね、小さく始めることが成功の鍵なんです。
原因5:資金不足と移転コストの問題
動けない状況:
状況が悪いと分かっていても、移転できない。これが最も深刻でした。
移転できない理由:
- 移転費用の資金がない
- 現状回復費用が高額
- 保証金が返ってこない
- 原状回復で追加出費
小規模店舗なら: 移転したくても、資金がないから動けない。悪い状況に縛られ続けるんです。
この事例が教える最重要の教訓
契約前の徹底調査が全て:
実はですね、この全ては物件契約前にチェックできたんです。
契約前に必ず確認すべきこと:
✅ 家賃比率の計算
- 予想売上に対して7〜10%以内か
- 確実に利益が出る構造か
- シミュレーションを徹底
✅ 契約形態の確認
- 普通借家か定期借家か
- 更新条件は?
- 途中解約の条件は?
✅ 店舗規模の適正性
- 本当にこの広さが必要か
- 固定費に耐えられる売上が見込めるか
- 小さく始める選択肢はないか
✅ 初期投資の妥当性
- 内装費用は適正か
- 保証金は回収できる前提か
- 原状回復費用はいくらか
✅ 移転の可能性
- 万が一の時に動けるか
- 資金的な余裕はあるか
- 出口戦略を持っているか
成功する物件選びのチェックリスト
契約前に確認すべき30項目の一部をご紹介します。
立地・家賃関連:
- □ 家賃比率は7〜10%以内か
- □ 周辺の人通りは十分か
- □ ターゲット客層がいるエリアか
- □ 競合店の状況は?
契約条件:
- □ 普通借家契約か定期借家契約か
- □ 契約期間と更新条件
- □ 保証金・敷金の金額と返還条件
- □ 原状回復の範囲と費用
店舗仕様:
- □ 広さは適正か(小さすぎず大きすぎず)
- □ 必要な設備は揃っているか
- □ 内装工事の制限は?
- □ 排気・給排水は問題ないか
経営シミュレーション:
- □ 損益分岐点の売上は達成可能か
- □ 最悪の場合でも耐えられるか
- □ 移転する際の資金は確保できているか
まとめ:契約が成功の8割を決める
銀座の人気店が閉店に追い込まれた5つの原因:
- 家賃比率が高すぎる - 7〜10%を厳守
- 人件費が削減できない - 店舗規模と固定費の関係
- 定期借家のリスク - 更新保証のない契約の恐怖
- 大きすぎる店舗 - 小さく始めることの重要性
- 資金不足で動けない - 移転コストの準備不足
そして最も重要な教訓:
物件契約前の徹底調査が、成功と失敗の分かれ道
「いい物件が見つかった!」と飛びつく前に。
家賃、契約形態、店舗規模、コスト構造。これらを徹底的にチェックする。
契約してから気づいても、もう遅いんです。
契約書にサインする前の調査こそが、飲食店成功の最大のターニングポイント。
この基本を、絶対に忘れないでください。